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インプラント治療は上の歯の方が難しいですか??

2024.06.03

インプラント治療は上の歯の方が難しいですか??

◎インプラント治療の難易度:上顎と下顎の違い

インプラント治療は、失った歯の機能を回復するための優れた選択肢として、近年大きな注目を集めています。しかし、治療の難易度は患者様の口腔内の状況によって異なり、特に上顎(上の歯)と下顎(下の歯)では、解剖学的な違いからインプラント治療の難易度に差が生じる場合があります。今回は、上顎のインプラント治療が下顎と比べてどのように難しいのか、その理由と対策について詳しく解説します。

◎上顎インプラント治療の難しさの原因

1. 骨の密度と量の違い
上顎の骨は、下顎と比べて密度が低く、量も少ない傾向にあります。これは、上顎が下顎に比べて咀嚼時の外力を受けることが少ないため、骨が発達しにくいことが原因です。インプラント治療では、インプラントを長期的に安定させるためにしっかりとした骨が必要不可欠です。上顎の骨の状態が良くない場合、インプラントの初期固定が得られにくく、治療が難しくなります。

2. 上顎洞の存在
上顎の奥には、上顎洞という空洞があります。歯を失ってから時間が経過すると、上顎洞が歯槽骨の方へ拡大することがあります。このような場合、インプラントを埋入するための十分な骨の高さが確保できず、治療が困難になります。また、上顎洞が大きく拡大している場合、インプラント埋入時に上顎洞を穿孔してしまうリスクも高くなります。

3. 審美性への配慮
上顎の前歯部は、特に審美性が重要視される部位です。インプラント治療では、天然歯と調和した自然な見た目を実現することが求められます。上顎前歯部のインプラント治療では、歯肉の形態や位置、インプラントの角度などを慎重に検討する必要があり、高度な技術が要求されます。また、上顎前歯部では、口唇の支持や発音への影響も考慮しなければならず、綿密な治療計画が必要です。

4. 咬合力の影響
上顎は、下顎に比べて咬合力が弱い傾向にあります。このため、上顎のインプラントには、下顎ほどの強い咬合力が加わりません。一見、有利に思えるこの特徴ですが、適切な咬合力の伝達は、インプラントの長期的な安定性に重要な役割を果たします。上顎のインプラント治療では、咬合力の影響を考慮した設計と調整が必要となります。

◎上顎インプラント治療の対策

1. 骨造成術の併用
上顎の骨量が不足している場合、骨造成術を併用することで、インプラント治療が可能になります。骨造成術には、自家骨移植、人工骨移植、上顎洞挙上術などの方法があります。自家骨移植は、患者様自身の腸骨や下顎骨から骨を採取し、上顎の不足している部分に移植する方法です。人工骨移植は、人工的に作られた骨補填材を用いて骨量を増やす方法です。上顎洞挙上術は、上顎洞の底部を持ち上げ、そのスペースに骨補填材を填入することで、インプラントを埋入するための骨量を確保する方法です。これらの手術により、インプラントを支えるための十分な骨量を確保することができます。

2. ショートインプラントの使用
上顎洞が拡大している場合、通常のインプラントでは埋入が難しいことがあります。このような場合、ショートインプラントを使用することで対応できる場合があります。ショートインプラントは、通常のインプラントよりも短い長さ(6~8mm程度)のため、上顎洞を避けて埋入することができます。ただし、ショートインプラントは、通常のインプラントに比べて支持力が弱くなる傾向があるため、慎重な症例選択と設計が必要です。

3. 精密な診断と計画
上顎のインプラント治療では、CT等による精密な診断と綿密な治療計画が不可欠です。歯科医師は、患者様の骨の状態、上顎洞の位置、歯肉の形態などを詳細に分析し、最適なインプラントの種類、位置、角度を決定します。また、必要に応じて、歯周病治療や矯正治療などの前処置を行うことで、インプラント治療の成功率を高めることができます。コンピューターガイデッドサージェリーを用いることで、より精密で安全なインプラント埋入が可能になります。

4. provisional Restorationの活用
上顎前歯部のインプラント治療では、provisional Restorationを活用することで、審美性と機能性の両立を図ることができます。Provisional Restorationは、最終的な上部構造物を装着する前に、暫間的に装着する仮歯です。この仮歯を用いることで、歯肉の形態を整え、最終的な補綴物の形態や色調を確認することができます。また、発音や咀嚼機能への影響も事前に評価することができるため、より満足度の高い治療結果が得られます。

◎まとめ

上顎のインプラント治療は、下顎と比べて骨の密度や量が少ない、上顎洞の存在、審美性への高い要求などの理由から、難易度が高くなる傾向にあります。しかし、骨造成術やショートインプラントの使用、精密な診断と計画、Provisional Restorationの活用により、多くの場合、上顎でもインプラント治療が可能です。

鎌倉御成歯科では、豊富な経験と最新の技術を駆使し、上顎のインプラント治療にも対応しております。患者様一人ひとりの口腔内の状況を詳細に分析し、最適な治療計画をご提案いたします。インプラント治療に関するご相談やご不明な点がございましたら、お気軽に当院までお問い合わせください。私たちは、患者様のお口の健康と美しい笑顔を取り戻すために、全力でサポートいたします。

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